パソコンで動画が見られるのはひと昔前では驚きでした。 いまやパソコンで動画編集ができるようになり、 ブロードバンドが普及すれば手作りのビデオクリップが電子メールに添付されて来るようになるかもしれません。 そういう時代にすでに入っているのかもしれませんし、 それはずっと先のことかもしれません。 ここで疑問を持つのは、 送られてきた動画が本当に再生できるの? という問題があるからです。 基本的には自分のところで再生できていても、 他のパソコンで再生できる保証はありません。 動画の形式は多様で、統一した規格あるいはデファクトスタンダード(事実上の業界標準)が存在しないということがその理由です。
動画を再生するプレーヤーにはMediaPlayer、QuickTime、RealPlayerなどがあります。いずれもWindows/Macの両方で走ります(RealPlayerはLinux版などもある)。これらが再生できる動画ファイル形式を一覧で示します。 これらの3つのプレーヤーの最新版を用意すれば主だった動画ファイル形式は再生できるということになります。 後に述べる必要なコーデックはインターネットに接続していると自動的にダウンロードされますが、それぞれのダウンロードセンターに無いものはしかたありません。
| プレーヤーソフト | MOV | AVI | ASF | WMV | RM | Mpeg1 | Mpeg2 |
| Quicktime 5 | △ | △ | × | × | × | ○ | × |
| MediaPlayer7 | △* | △* | △ | ○ | × | ○* | △* |
| RealPlayer8 | ? | ? | ? | × | ○ | ○* | × |
しかしファイル形式が同じでも コーデックが違えば別物です。 ファイル形式はWindowsでは「.avi」などの拡張子で示されますが、 コーデックはこれでは判断できません。 「コーデック」とは符号化(coding)と復号(decode)を纏めて呼んだもの、あるいは 圧縮とその反対の伸長のこと。これには技術の進歩とか目的に応じていろいろできてしまいました。 CinepakのようにMOV(QuikTimeVideo)とAVI(VideoForWindows)など複数のファイル形式で使われるもの、Sorenson(MOVのみ)やRealVideo(RM)、MPEGのように特定のファイル形式が決まっているものなどがあります。
動画コーデックの評価項目として次のようなものが挙げられます。もともとはVHS品質を音楽用CDと同じメディアに記録、再生するビデオCDを目標にした規格です。 圧縮率の目標は音楽用CDの転送速度 640MB/74分 = 144 kB/s = 1.15 Mbps となります。 当初は再生に専用ハードウェア(ビデオCDプレーヤー)を想定していましたが、 CPUが高速になったことで1997年以降の標準的なパソコンでは特別のハードウェア を付加せずにソフトウェアで 再生ができるようになりました。 また1999年後半ごろから最高速のパソコンでは 圧縮もソフトウェアで実時間でできるようになってきました。 このおかげで現在ではビデオキャプチャなどにも使われています。 Win/Mac/Linuxで再生でき、 不特定の相手にCDなどで配布するのに最も適していますが、インターネットなどでの配信には圧縮率が不充分です。
ビデオCD自身は日本国内では普及していません。ビデオCDではファイル名の拡張子が「.DAT」となって、パソコンでは逆に再生しづらくなります。 パソコンでの再生を前提にするなら ビデオCDではなく「データCD」として拡張子「.MPG」のMPEG-1ファイルを焼くようにします。 MPEG-1は狭い意味ではビデオCDの規格となりますが、 拡張すればより高画質な記録にも使えます。 DVDで使われるMPEG-2も基本的には同じ技術によるものです。MPEG-2は再生環境が十分に整っていないので、DVDで配布する以外には使う必要がないでしょう。
民生用デジタルビデオカメラの記録用に作られたDV規格を下地に作られたコーデックで、デジタルビデオの編集に活躍しています。 圧縮率は高くなく、約9分で2GBを消費します。720x480の画素など高画質を目標にしていることもありますが、 圧縮にフレーム間相関を利用していないことが大きな理由です。 専用ハードウェアが無ければいまの最高速のパソコンをもってしても実時間圧縮はできません。またソフトウェアによる実時間再生もやや難しいようです。 注意しなければならないのは、 このコーデックはDV規格そのものではなく、 各社それぞれに工夫されたもので、DVコーデック同士の互換性すら無いということです。 したがって配布には他の適した形式に変換しなくてはなりません。
「2GBの壁」
フレーム間相関について: 動画は連続する 静止画(フレーム)で構成されています。 隣り合うフレームは似通っており、その相違はわずかです。 このことを使ったものがフレーム間相関を利用する圧縮で、 高い圧縮率でも比較的高画質が得られますが、 とうぜん圧縮処理は複雑になります。
インターネットなどの低速回線で送ることができるほどの高圧縮方式の標準として定められたものがMPEG-4です。
しかし規格をすべて実装していないためか、
MPEG-4と称したものも多くは互換性がありません。
WindowsMediaの最新のものは独自の圧縮技術として、もはやMPEG-4と自称することも無くなりました。
このグループのものは非常に高い圧縮率と、パソコンによる実時間圧縮、再生という特徴を持っています。
ときに著作権保護機能に伴って転送に障害が出たり、編集に制限があったりします。他のコーデックへの変換はまずできません。
ファイル形式で言えばMOVやAVIからRMやWMVへは片道切符で、逆変換はできません。
フリーウェアの中にはMS-MPEG-4をAVIなどに変換するものもあるようです。
MPEG-4は高圧縮が特徴で画質は2の次という印象を受けますが、それは遅い回線での場合です。 MPEG-4はこれまでの技術の集大成であり、 転送速度や保存ファイルの大きさを許すならば高画質で記録することのできる優れたものです。 特定用途に特化したこれまでのコーデックたちを駆逐できる可能性を技術的には秘めています。 残念ながら著作権保護に関連して、あるいは特定メーカーの思惑にからんでデーターの相互変換ができないなど、MPEG-4はその用途が制限されてしまっています。 これらの動きと違って注目できるものにオープンソース的なアプローチで開発された OpenDivXがあります。 これをもとにしたDivXはオープンソースではありませんが、 個人的使用には無料で開放されています。
ライセンスの縛りについて: RealNetworks社のRMファイルとそのコーデック、 Microsoft社のWMVファイルとそのコーデックは (現在のところ)それぞれ自社の製品でしか再生、編集ができない。 またいずれも他の形式への変換手段を供給していない。
ここでファイル形式に話を戻します。 AVIはWindows上の標準の動画ファイル形式でしたが、 Microsoft社は1997年にASFを、2000年にはWMVを 標準の動画ファイル形式としています。 しかしAVIはいまだWindows上での動画編集では主流となっています。 AVIファイルには2GB以上のファイ ルを作れないという制約を解決するものとして1997年ごろOpen Degital Media consortium(OpenDML)による拡張があります。 ソフトによってはこれに対応していないものがあるので注意が必要です。 また2GBの壁を越えるアプローチとしてこれとは別に「参照AVI」というものもあります。
けっきょくこの系列でのビデオファイル形式は次の5 つが混在しています。
MediaStudioPro6.0以降やVideoStudio4以降、
Premiere6.0以降の
出力は標準で 3)の形式になります。
これに対応しないソフトのために 1)の形式で出力させることが必要な場合があります。
(参考:MSP6のFAQ by Canopus)
WindowsMediaProducer 7 や、WindowsMeに付属のWindowsムービーメーカーは
WMVファイルしか出力しません。
またWVMファイルから他の形式へ変換する方法はありません。
(拡張子名を変えればASFにはなるが、意味はない。)
| 1992 | 93 | 94 | 95 | 96 | 97 | 98 | 99 | 2000 | |
| AVI | * | → | → | → | → | → | ・ | ・ | ・ |
| ASF | * | → | → | ・ | |||||
| WMV | * | ||||||||
| MOV | * | → | → | → | → | → | → | ||
| RM | * | → | → | → | |||||
| MPEG1 | * | → | → | → | → | → | → | → | → |
| MPEG2 | * | → | → | → | → | → | → | ||