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ハシズムの危険

大阪市職員アンケート

橋下徹の政治手法を独裁と呼ぶのは止めよう。それは恐怖政治と呼んでよい。

18 Feb 2012

その恫喝姿勢

大阪市橋下市長は2012年2月、昨年11月の大阪市長選で労組が前市長の支援活動をした疑いがあるとして市職員全員に特定の政治家の応援や組合活動への参加の有無を尋ねるアンケートを求めた。

まずは橋下市長名によるこのアンケート冒頭の一部を引用するので見てほしい。

このアンケート調査は、任意調査ではありません。市長の業務命令として、全職員に、真実を正確に回答していただくことを求めます。 正確な回答がなされない場合には処分の対象となります(2012年2月9日付け「アンケート調査について」大阪市長名、職員各位宛て。強調は引用者。)

そして、この大阪市長名による「アンケート調査について」という文書は、次の文章で結んでいる。

また、仮に、このアンケートへの回答で、自らの違法行為について、真実を報告した場合、懲戒処分の標準的な量定を軽減し、特に悪質な事案を除いて免職とすることはありません。 以上を踏まえ、真実を正確に回答してください。(同上)

まるで取調べで自白を促すかのよう。市の幹部や職員が法に違反した選挙活動をしていた疑いがあるなら、そういう調査もやむなしと思う方も多いだろう。 それはさておいても、この文言はちと、と正常な神経の持ち主なら思うだろう。 さよう、橋下徹は基本的に恫喝姿勢なのだ。

調査内容

報道にあるとおり、「特定の政治家を応援する活動」なども聞いているのだが、最初の質問はそれではない。

Q6 あなたは、これまで大阪市役所の組合が行う労働条件に関する組合活動に参加したことがありますか。(同上。強調は引用者。)

このあと、それは自分の意志なのか、誰かに誘われたか、誘われたのなら誰から、どこで、いつ?と続く。

組合活動についての意識調査もある。

Q17 あなたは、組合に加入することによるメリットをどのように感じていますか。
Q18 あなたは、組合にはどのような力があると思いますか。
Q19 あなたは、組合に加入しない(脱退する)ことによる不利益は、どのようなものがあると思いますか。

解説は要らないだろう。まるで組合なんかやめてしまえと圧力をかけているようでもあるし、組合つぶしの材料を集めているようでもある。

密告を奨励

報道をさらっと聞いていると「法律に違反する選挙活動の疑いがあって、その調査なのだから、それがどうして思想調査と呼ばれるのか、どこが不当労働行為なのか」と不思議に思うかもしれない。ぜひアンケート全文を見て欲しい。 もちろん橋下と、この調査を担当する特別顧問である野村修也のいずれも弁護士なので、そのことは承知らしく、逃げ道を作っている。 これらの、やばいと思われる質問項目の一部は「回答いただかなくても構いません」と注記している。それで逃げられると私は思わないけれど。

注)「誘った人」の氏名は、回答いただかなくても構いません。末尾に記載した通報窓口に無記名で情報提供していただくことも可能です。(同上。強調は引用者。)

「労働条件に関する」通常の組合活動に誘うことまでもまるで犯罪のごとく、密告を奨励するという始末。 「特定の政治家を応援する活動」についても、公務員にも認められた合法な政治活動をもごっちゃにしているのだが、これ以上をあげつらうのも疲れるので、興味のある方は以下リンクにあるアンケート全文をぜひ一読いただきたい。

各界の反応

連合が事務局長談話でアンケート調査の撤回を求めているのはもちろん、日弁連、大阪弁護士会が会長声明を出すなど、各界、各団体の反発が相次いだのは当然だ。 これは「労働基本権を侵害するのみならず、表現の自由や思想良心の自由といった憲法上の重要な権利を侵すもの(日弁連会長声明)」 当事者に止まらない、民主国家としての日本にゆゆしき問題だからだ。

にもかかわらず政党で明確にその違法性、危険を指摘しているのは、いまのところ共産党と社民党だけ。 多くの政党は選挙で維新の会と喧嘩することが怖いんでしょう。 橋下の暴走とともに、この日本の政治風景には空恐ろしいものがある。

(追記)その後


参考リンク


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