チェコの風景 Shino's Bar

チェコ通信大作戦


 この夏、チェコで開かれたアーティスト・イン・レジデンスに同行し、 現地ルポを発信するに至る顛末記。 海外からの通信を試みる人に必読。マルチリンガルなページ作りのコツも。

Oct.- Nov. 1997


プラハから100km?
 これから行こうとする会場は プラハかと思ったら、そこから100km離れた田舎町だという。 でも、どっちへ?・・・どうでもいいことか。チェコの国の大きさからすると プラハからどちらの方向へでも100km行けばもう国境。 いずれにせよその昔修道院だったというから、人里離れた所と想像できる。
チェコというだけでも不安なのに、そんな田舎から果たしてインターネットに接続できるのか?
アクセス・ポイントはどこに?
 米国に出張した人はNiftyが提携しているCompuserveからE-mailを送ってきた。 果たしてチェコにアクセス・ポイントはあるのだろうか?
 調べてもらうとNiftyはTymnetという英国のネットワーク会社とも提携しており、 そこがプラハに一つアクセス・ポイントを持っているという。 その後BIGLOBEが米国のiPass社と提携を開始し、 チェコ国内に3個所のアクセス・ポイントができたことが判明、 これで一安堵。提携会社経由なので、アクセスの方法は国内とは少し違う。 BIGLOBEはそれ用のソフトを無償配布していたが、Windows95用である。
電話がなければ始まらない
 いくら田舎でも電話くらいはあるだろう。 しかし問題はわれわれゲストが使えるものが用意されているかということ。 それに、接続はどうするのか。 日本のようにコンセントが普及しているかどうかわからない。 いざとなったら強引につなぎ込むつもりで工具類を準備。
 平行して現地に問い合わせする。 先方が E-mailを持っていたのは心強いのだが、 最初の通信は先方にトラブルがあったとかで 1ヶ月以上経って返事が届いたのは心もとない。 我々を迎える組織は Center for Metamediaと名前がついており、 この「Metamedia」を「マルチメディア」と訳せばすごく心丈夫になるが、 「ミクスト・メディア」なら水彩と油絵具をいっしょに使ってもそう呼ぶので、 名前からの想像はあてにできない。
朗報届く
 通信事情に対する先方からの返事が来た。
− コンピュータ通信したいのならば 我々が契約しているプロバイダを経由するのが便利でしょう。 ゲストたちのために E-mailの準備がされています。 E-mailソフトは Eudora(私が会社で使っているものと同じ!)、 WWWアクセスは Netscape Navigator 2.0が使えます。
 なんと、至れり尽くせり。 それなら手ぶらで行けるではないか。感謝、感謝。 ただ回線は電話、Fax、 コンピュータをまかなう1回線があるのみと添え書きがあった。 また Netscape Navigator のバージョンが2.0であったことも (普通 3.0なのに。その理由は後に明らかになる。) 一抹の不安を与えるものであった。
それを忘れていた
 「でも、日本語は駄目でしょう。」
と、するどい指摘のARICHI氏。さすがイタリア駐在経験者。 英語かローマ字では不自由だよなあ。 一縷の望みを掛けて問い合わせてはみたものの、返事は・・・

 − 残念ながらうちのコンピューターはチェコ語ならできますが 日本語はできません。

 当然だよな。で、日本からコンピュータを持ち込むことに決定。 モバイルとか、話題の Windows CEが走るやつとか検討するが、 けっきょく会社で使っているノート形を持っていくことにした。 重いけれど、現地では2週間定住するので宿舎に据え置けば良い。 先方のコンピューターと同じWindows95が走るというのも心強いし、 実際たいへん役に立った。


チェコ共和国よ応答せよ!
 会社で使っているコンピューターはそのままでは電話に接続できないことを知り、 あわてて日本橋(大阪の電器店街)へ走り、モデム・カードを購入。 よくわからない設定をいじって国内プロバイダへの接続テスト通過。 (ちょっと簡単に言ってしまったけれど、いちいちWindows95のCDからドライバ・ソフト などをインストールしなければならないので、かなり会社の人にはお世話になった。)
 あとは国際電話でチェコのアクセス・ポイントとの接続をテストする。
 ・・・が、繋がらない。 手動で電話。なんとチェコの国番号が3桁に変更されているのを知る。 これだけ国の数が増えたのだから、さもありなん。 再度挑戦・・・やっぱり駄目。 それではと、隣国のウィーンに掛けてみると、これは繋がる。 プロバイダに問い合わせを出すが、もう間に合わない。 (ちなみに帰国後1ヶ月経った今も調査中とか。) 時間切れのまま、あとは現地で繋がる幸運を祈るのみ。
最悪事態に備える
 チェコからのリアルタイム中継を約束している以上、 これでメゲてはいけない、 出発前夜、急遽その仕込みをした。
 自分だけが書き込める掲示板を作ったのである。 チェコでの受け入れ先のコンピュータには Netscape Navigatorが動いているから、 この自分専用の掲示板にチェコから書き込みができるという仕掛けである。 この方法によるとインターネットカフェなどからも発信可能だから、 いろいろ応用できる。 掲示板の操作説明は英文にしておけばまずどこでも大丈夫だ。

 ちなみに、あとから分かったことだが チェコ国内にもインターネットカフェがいくつかあり、 我々の居留地プラシから20kmの街、Plzenにもあった。 また今回は時間の都合が付かなかったが 飛行機の乗り継ぎのオランダ、スキポール空港にも 貸しオフィスがあってインターネット・アクセスができるとのことであった。


電話のコンセントまで?
 出発前日たまたま会社の宴会で、 「国際文化交流のスタッフとして現地から情報発信を・・・」 などと長期間仕事を空ける言い訳をしておく。
 すると、「電話のコンセントは大丈夫?}と注意される。 チェコの電源は200Vで、プラグはC型と調べており、アダプタも用意しているが、 えーっ、電話の変換プラグなんてあるの?全世界共通と思ってた。
 出発当日、関西空港で探すと確かにある。イギリス用、フランス用・・・ チェコ用は?  店の人に聞いても分からない。ええい、そこにあるの全部ちょうだい! 買い込んで飛行機へ。

 電源の変換器もそうだが、これらは出発前に日本で用意しないと 現地では調達できない。よく考えると分かるが、 現地には現地の機器を日本で使うための変換器はあっても、その逆はない。 ところで後から分かるが、電話のコンセントは日本、アメリカ、ドイツは共通で、 チェコもまた同じもので変換プラグは必要なかった。


日本のモデムは通用せず
 チェコに到着すると、まず事務所へ直行。コンピューターの接続テスト。 あらかじめ担当の秘書に事情を話しておいたので、 いろいろ設定を教えてもらう。が、繋がらない。 電話のコンセントは日本と同じだった。 結線が逆の可能性があるので極性変換機というのも試したがダメ。 そもそも日本だと受話器を取るとツーという発信音がするが、 チェコのは音色が違うのだ。モデムが発信音を認識せず、門前払い。 つまり、日本で買ったモデムはチェコでは通用しないという結論に達した。
 そこで秘書の方は自分のノート型パソコンのモデムカードを試しに貸してくれた。 ドライバソフトはというと、Winows95に内臓のものが使えた。 しかしこれも駄目だった。日本の内臓ドライバがチェコのものと違うのか? 原因はしかとは不明である。

 誰かご存知の方、教えて下さい。


コンピュータ表示までチェコ語!
 直接接続はあきらめ、先方のコンピュータを借りてShino's Bar Internetにアクセス。 準備してあった掲示板を使ってチェコ到着の第一報を英文で送る。 しかし日本側から書き込まれた日本語は文字化けして読み取ることはできない。 ・・・もしかしたらこれをディスクにセーブして、 持ち込んだ日本のコンピュータで読むことができるかもしれない。 これは成功した。とすると逆もできるかも。自分のコンピュータで日本文を用意し、 ディスクにセーブしたものをチェコのコンピュータで開き、 カット・アンド・ペーストで掲示板に書き込む。
 幸いにどちらも使い慣れた Winows95だったのでなんとかなったが、 チェコのコンピュータの表示が全部チェコ語なのには閉口。 「同じ名前があります。書き換えますか?」などというのがチェコ語で出てくる。 これを勘で読み取り、「Anno(はい)」「Ne(いいえ)」などと答えねばならないのだから、 恐いといったらありゃあしない。
FTPが繋がった!
 ファイル転送の使い慣れたプログラム FTP Explorer をチェコのコンピュータに こっそりとインストール。Shino's Bar Internetを置く日本のプロバイダに接続を試みる。 ・・・これはあっさり繋がった!
 この後 Shino's Bar Internetはチェコのプロバイダ経由で全面的にチェコ現地からメンテできるようになり、 持参したデジタルカメラを使っての画像も送出できるようになった。 インターネットはありがたい。

 FTP Explorerは英語版。日本でダウンロードしたものをディスクで持参。 現地の通信回線はあまり良くなく、もし現地でダウンロードしたなら ずいぶん時間がかっかっただろう。 Netscape Navigator のバージョンが2.0だったのも、 3.0のダウンロードがたいへんなためではないか。


電子メールは四苦八苦
 しかし電子メールは繋がらない。先方が準備してくれた EUDRA Light(英語版) に日本のE-mailアドレスとパスワードを入れるだけで使えるはずだが、 日本側のサーバーの調子が悪かっただけかもしれない。滞在後半には繋がるようになったが、 問題は文字化けしたものをどうして日本語に戻すかだ。 ディスク経由日本のコンピュータで読めばいきそうだが、一つ落とし穴がある。
 日本語のコードは大きく3種類あり、 電子メールは一般的にJISコードで WindowsやMacは Sift-JISなので普通のエディタでは 文字化けする。変換ソフトが必要となる。 で、その変換は・・・ Netscape Navigatorなどのブラウザがやってくれる。 電子メールをテキストでセーブしておき、Netscape Navigatorで見るのである。 なんとうまく日本語になってくれる。

 「オプション」の中の「文字コードセット」が「日本語自動判別」になっていることを確認。

 逆に送信はJISコードで出さねばならないが、 パソコンのエディタはたいてい S-JISしか扱えないので、 こちらからはローマ字で送るのが安全である。 あるいは最初にローマ字、続けて日本語文字を併記する。 先方のメールソフトによって、運がよければ S-JISでも読み取ってくれるかもしれない。


チェコ語を表示する方法
いちおう当サイトは世界に発信しているわけで、 チェコからの発信も日本語だけでなく英語も用いた。 しかし現地組織 Hermit Fundationから貰う原稿はチェコ語交じりとなっていた。 これを我がコンピュータで表示するにはチェコ語のフォントが要るので、 コピーさせてもらった。

Netscapeでチェコ語を表示させるには「オプション」の中の「文字コードセット」を 「中欧(ISO8859-2)」にセットし、同じく「オプション」の中の「全般の設定」中 Latin2のフォント指定でチェコ語のフォントを指定すれば良い。

しかし普通の人がブラウザの設定なんかやらない。 日本語版ブラウザの標準設定で見るととんでもない文字に化けてしまうことが判明。 とりあえずタイトルはグラフィックではめ込むこととした。 後にMETAタグを用いると良いことが分かった。 HTML文書のヘッダ部分に

<meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=iso-8859-2">
なる呪文をいれておくと、 文字コードセットをしたのと同じ効果がある。 ただしIE3.0には効かない。 チェコ語フォントも持っていないのが普通だが、 幸いに Times などの英語用のフォントでも代用は効くようである。

Windows95日本語版でも多国語サポートをCDからインストールすれば チェコ語も含めギリシャ語、キルリ語などヨーロッパのたいていの言語はカバーできる。


METAタグ活用法
 METAタグによる文字コードの指定は英米語の場合
<meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=iso-8859-1 ">
 日本語JISコードは
<meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=iso-2022-jp">
最後のところが Shift-JISでは charset=Shift_JIS 、 EUCコードは charset=x-euc-jp
となる。これらをHTML文書のヘッダ部分に入れておく。

マルチリンガルなページ
 日本語版ブラウザはたいてい自動判別なので普通は文字コード指定など必要無い。 英米語のブラウザに対してこんなことをしても日本語フォントがなければ何にもならない。 ならばどういう時に使うのか?
 日本語の分からない人が見てもグラフィックなどである程度分かるようにページを作る場合、 文字化けの結果レイアウトが崩れてしまうことがある。 そのようなとき文字コードを指定することでこれを防ぐことができる。 しかし絵が主体で補助的に文字を使うならば英文にしておくほうが合理的である。
 ひとつのページに英文と日本文を混在させるとMETAタグによる指定はできない。 そういう場合は英文を最初に書き、後半を日本文にすれば後半レイアウトが乱れても 被害は少ない。 英米語圏でどのように見えるかはブラウザのコードセットを「欧米」にすれば 簡単に確かめることができる。
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