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29 Aug 1999 (再録 13 Oct 1999)

建築に対する欧米の常識

建築は芸術なんかじゃない! ―美術史の視点から (25 Jul 1999) への追加補足。この記事は ART MURMUR URL投稿したものの再録です。
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 BIRDIEさん、執拗なるつっこみ(笑)、(いやみでなく)ありがとうございます。 指摘を受けた後いろいろ調べてみて、「建築は芸術じゃないというのは欧米の常識」というのは若干修正しなければならないと思います。

 重視したのは、1671年にフランスにできた建築アカデミーの存在と、1819年-1968年(ごろ?)続 いた国立美術学校(エコール・デ・ボザール)建築科の存在です。 この編成からするとフランスにおける建築の地位は、絵画・彫刻を意味する狭義の「美術」と隣接し、音楽や舞踏、詩歌などを併せた広義の「芸術」という範疇には含まれると解釈できます。

 フランス帰りの建築家が日本における建築家の扱いに不平を述べるのもむべなるかなというところです。しかしそのことをもって「建築が芸術であるのは欧米の常識」というのは、やはり「違うだろう!」という私の考えは変わっていません。

 彼ら欧米の古代史において建築が美術・工芸の頂点であったことは事実ですが、その後美術(ここでは絵画・彫刻の意味)の地位が上がり、さらには美術・工芸の区分ができるにあたって建築は工芸のほうに区分されるべきだったというのは私の議論ですし、実際彼らもその点では迷っている。

 ですので若干修正し、「欧米の常識で建築は芸術の一部であるとの考え方もあるが、同じ欧米の常識である美術・工芸の区分からすれば建築は芸術ではないとも言える。」とでもしましょうか。

 なお、BIRDIEさんが指摘する美術・工芸の区分そのもののあいまいさ、そのことについての欧米自身の揺れについては大事な問題だと思うので別途議論させていただきます。 また、Sleepieさんがジャンルを区切って芸術を論じることに、それから西洋との違いを議論する 仕方に疑義を投じておられますが、これもおいおいやらせていただきます。

29 Aug 1999 (再録 13 Oct 1999)
M.Shino, The Bar Master
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