占領軍による押し付け(2)官公労対策

安倍晋三は繰り返し「官公労主体の民主党を倒さねばならない」と言っている。雑多な民主党の中でなぜ官公労なのか。そもそも官公労は1958年に解散している。「官公労」という今は存在しない組織名を使うところ、どうもこの人は半世紀ほど前からタイムマシンに乗ってきたらしい。
(当ブログ内関連記事:「共産党・日教組・朝日新聞」)

日本の公務員にはスト権が無い。そんなこと当たり前と思うかもしれないが、他の国、たとえばフランスなんか教師もしょっちゅうストライキをやる。日本も批准しているILO第87号条約第98号条約は労働者の団結権及び団体交渉権の保障について定めており、公務員もその例外ではない。日本が公務員の労働基本権を制限していることについて、その改善を求める勧告がILOから再三出されている

日本ばかりがなぜそのようになったかは、戦後の米軍占領下に遡る。

戦後日本の民主化を進めていた進駐軍(GHQ)だが、高まる労働運動に「このままでは日本が共産化する」と危機感を持ったのだろう、1947年2月1日に予定されていたゼネラル・ストライキを禁止する。このゼネストの主力に官公労があった。これを抑え込むためにGHQは1948年、芦田内閣をして政令201号を出させ、国家公務員法の修正と人事院規則により国家公務員の団体交渉権、争議権を否認するとともに政治活動に制限を加える。

なお、地方公務員法での労働権・政治活動の制限は国家公務員ほど厳しくない。その理由として成立時期の違いも指摘されているが、重要度についてGHQの認識が国家公務員に比べて低かったのだろうと私は想像する。これを国家公務員並み、いやそれ以上に制限する大阪市の例にはマッカーサーも顔負けだ。

参考リンク
1. 「主要諸外国における公務員の労使関係」(人事院)
2. 「改正国家公務員法の成立の経緯」(人事院)
3. 労働基本権(ウィキペディア)
4. 二・一ゼネスト(ウィキペディア)


Posted on 30 Dec 2012, 16:30 - カテゴリ: 日米同盟
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