Shino's Bar

ひろせ art lonon


先週でついに学校が終わってしまい、クリスマス休暇で友だちが みんな地方に帰省してしまい、ひろせはなんとなく寂しい日々を送っております。 そんなわけで(?)Turner Prize の続きを少し・・・

ひろせ art lonon 05 - 23 Dec 1999

まずは今回の受賞者であるSetve McQueenから・・・。

この人の作品はどれも、高度な技術を見せようとする映像作品ではなく、 あくまでもシンプルにローテクニックに作ってあって(でもセットはけっこう頑張って 作っていたりもするのだけれど)、だいたい最後の方で種明かしが見えて 「なんだ、こういうことがしたかったんだ」と、思わず、くすっと笑ってしまうものでした。

ものによってはもっともっとシンプルにできそうな、最後のこの部分だけでもいいのにな、 という作品もあったのですが、それでもこの人のセンスはピカイチです。

ひろせのお気に入りの作品は、草むらの上でテープレコーダーがカタカタ回っていて、 それがあるとき、ひょこっと起きあがって(ここで一瞬、人間が登場するのかな?と思う) それからふっと宙に浮き上がって(もしや、ヘリコプターの登場か?と思ってしまう)、 白い風船と共に空の彼方に消えていってしまうという、ただそれだけの作品です。

余談ですが、Setve McQueenといえば、ひろせには恥ずかしい失敗談があります。 RCAの版画コースのテクニシャンに彼とよく似た人がいるのですが、学校のギャラリーの パーティーでその人を見て、「彼はSetve McQueenに違いない!」と思って、友だちと 「あなたの作品が賞をとってとてもうれしいです」などと話しかけてしまいました。 この時ばかりは本当に、ああ、穴があったら入りたかった・・・・・です。

それからSteven Pippinの作品について書く前に、イギリスの洗濯機についての 説明なのですが、こちらの洗濯機は日本にあるドラム式の乾燥機がそのまま 洗濯機も兼ねるようなつくりになっています。 そういう洗濯機をちょっと頭に描いてみて下さい。

で、彼は、その洗濯機の中に印画紙の入ったカメラを仕掛けて、撮影 (フラッシュまでついている)、現像(ここで、洗剤の代わりにディベロッパーを入れる)、 停止、定着、そして、もちろん乾燥まで、すべての工程を洗濯機の中で やってしまっちゃったのです。

それもコインランドリーの中で、馬まで走らせて、それを撮影するのですが、 会場にはこの写真と、中に仕掛けたカメラと、その設計図しかなくて、 最後の部屋にある各作家を紹介したVTRで、やっとこの撮影現場にお目にかかれました。 そして、展示してある作品よりも、このVTRの方がおもしろかったです。 VTRの中には、他に、トイレの便器をカメラにしちゃったバージョンなどもありました。

ところで、その彼が今、Greenwichの旧天文台で、 <the solar system revolving around a glass sun, with Earth repaced by a TV set> ということをやっているみたいです。 せっかくだから、明日にでも見に行ってこようかなと思っています。



ロンドンの南にある3つのギャラリーで<new contemporaries> とういう 展覧会を、今日までやっていました。 ひろせの同級生も3人出品していたので、プライベート・ビュウに行ったのですが、 人が多すぎて、作品が全然見れなく、最終日の今日、やっと ゆっくり見に行くことができきました。

この展覧会は、毎年行われる、イギリスの若手作家の登竜門みたいなもので、 イギリスのアート・スクールの卒業生と卒業予定者を対象にした公募展になっています。 日本でいうとキリン・コンテンポラリーなどがそれに近いのでしょうか? 賞や賞金はないみたいですが、30人くらいの選ばれた人たちがギャラリーに 作品を展示し、(多分、販売もしている)、カタログがつくられます。

ひろせは、チュートリアルの度にいろんな先生に 「ブリティッシュ・アートはどう見えたか?ジャパニーズ・アートとはどこが違っているか?」 と訪ねられて、「やれやれ、困った質問をする人たちだ」と、思っていたのですが、 (だって、あの混沌としたものたちをそうやって分類するなんて、ナンセンスだと 思いませんか?)この展覧会も、やはり一言ではくくれない、バラエティーに富んだ 作品たちで構成されておりました。

その中でも特におもしろかったのが、Natasha Kidd という人の <PAINTING MACHINE 2>という作品でした。 キャンバスと、モーターと、白い絵の具の入ったアクリル製バットでつくられた このマシーンは、「キャンバスを絵の具の中に浸す、、キャンバスを引き上げる (絵の具がポタポタたれる・・・)、しばらく停止」という動作をひたすら繰り返しています。

最終日にもなると絵の具の水位がだいぶ下がっていて、その水平線の層の シマシマがキャンバスの表面に現れ、下の面には絵の具のつららが出来ていて、 なんだか、いい味、出していました。そして、私がお金持ちだったら、 この出来上がったキャンバスを買いたいなぁと思いました。

あと、日本の地図をコラージュして<The United of Japan>という名のイギリスの形を した地図をつくっている人がいたのですが、これとよく似た、もっと完成度の高い、 (しかも売れっ子の作家の)作品を他のギャラリーで見た後だったので、 実際にどっちが先だったかは別にして、なんだか若い方の作家がかわいそうに 思えてしまいました。(考えることはみんな一緒なんだなぁ・・・と。)

ちなみに大御所であるLayla Curtis の方は<The United European Union>という タイトルを付けていたのですが、思わず「にくいなぁ」といわせるセンスも こっちの方が、一枚上手でした。(お金があったら、この作品もほしい!です。)

それでは、Have a happy Christmas !!!

ひろせ art lonon 目次へ 続きへ
感想、お便りはシノバー掲示板へ。

Shino's Bar Shino's Bar Internet